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ヘビ革ブーツと神経痛

先週末にダウンタウンのクリストファーストリートで小さなストリートフェアがあった。夏の間、ニューヨーク中のあちこちで開かれるストリートフェアと、出ている露店はだいたい同じ。ただ、ダウンタウンなのでプロの露天商だけではなく、ハンドメイドのアクセサリーを売るアーティストも多かった。

クリストファーストリートは言わずとしれたゲイ・ストリートなので、のんびりフェアを楽しんでいる人たちの中にもゲイが多かった。彼らを見ていて、ふと気付いたのが、年齢によるファッションの違い。

若い人には今どき系のおしゃれさんが多い。ところが40代後半〜50代の人になると、なんつーか、ヴィレッジピープル系ファッションが多かった。ヴィレッジピープルとは1980年代に「YMCA」という曲を大ヒットさせたゲイのディスコバンド。改めて見ると、白人・黒人・インディアン(偽物くさいけど)混成で、なかなか進歩的(?)だ。

ゲイ/ストレート/女性/男性を問わず、ファッションに入れ込んだことのある人間は、その最盛期のスタイルを後年もずっとひきずる傾向にあるように思う。たとえば反イラク戦争デモなどに行くと、いまでもタイダイTシャツにロングヘア&ヒゲの60代ヒッピーたちを見かけるし。(人によってはロングヘアは消滅してしまってるけど)

そういえば、少し前に仕事でクリストファーストリート周辺をうろうろ歩いていた時、公衆電話に60代後半か70代前半くらいの白人男性がいた。これが上品なヴィレッジピープル系とも言えるいでたちで、テンガロンハットにピシッとアイロンの効いたスラックス、そしてポイントは先の思いっきり尖ったヘビ革ブーツ。ゲイにも当然、中年層、老齢層が存在する。

この男性が電話を掛けるための25セント硬貨を路面に落としてしまい、それを拾おうと腰をかがめていた。ところが指先が不自由らしく、なかなか硬貨をつまめないでいた。拾ってあげると、「ありがとう。神経痛でね、指が思うように動かせないんだよ」と、おっとり笑いながら言った。

かなり驚いた。ゲイに限らずアメリカ人、特に彼のようにオシャレに気を遣う人やアーティストは自分を若く見せることに心血を注ぐ。実年齢など他人には絶対に言わないし、老眼・神経痛・白髪などの加齢現象も隠そうとする。

なのに、この男性はあっさり神経痛だと言ってのけた。うーん、歳と共にいい感じで人間が丸くなったのだろう。ただ、おしゃれはしていても携帯を持っていないということは、経済的にはちょっと苦しいのかな、と余計なお世話まで心配してしまったけれど。


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by nybct | 2005-07-22 04:41


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