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ヴァージニアからやってきたニューヨーカー

ブルックリンにあるダイナーのジュニアズはチーズケーキで有名な店。日本の雑誌やガイドブックでもひんぱんに紹介されている。

2〜3日前のニューヨークタイムズに、ジュニアズに関する面白い記事があった。ここでウェイトレスとして、なんと43年間も勤めた女性が引退したとか。

メアリ・ブレヴィンズ(68歳)は、1960年にヴァージニア州から職を求めてニューヨークにやってきた。2年後の1962年に新聞の求人募集を見てジュニアズに就職し、以後、ここでもっとも優れた、そしてお客から愛されたウェイトレスとして働いたのだ。

当時をふり返った当人の話が面白い。当時、ジュニアズで働いていたのはユダヤ系、イタリア系、アイルランド系ばかり。この3グループ、エスニックは違えどニューヨークの白人グループのヒエラルキーの中では最下位に置かれていたグループ。それでも彼らは“ニューヨーカー”、南部出身のメアリ(白人)を見下したそうで、メアリは最初は苦労したという。

それでもオーナー(ユダヤ系)がメアリの人柄と勤勉さを買い、店内でのポジションを引き上げ、以後、店の顔として活躍してきた。たくさんの常連客に愛され、中にはメアリの存在ゆえに子どもの頃からジュニアズに通い続けている人もいるという。1964年には常連客の1人(イタリア系)と結婚。著名人をもてなしたことも数知れず。メアリは今も南部訛りを残しながら、誰よりも“ニューヨーカー”になったのだ。

その夫も4ヶ月前に亡くなり、メアリはジュニアズを引退し、すでに故郷のヴァージニアに帰っているそうだ。オーナーは店内に彼女のポートレートや、彼女が取材された新聞記事などを飾るといっている。

そうえば、少し前にジュニアズでストロベリーショートケーキをテイクアウトした。1切れ6ドル以上もして驚いた。日本の感覚でいえば2切れ分くらいの巨大なサイズで、スポンジ部分は大量のホイップクリームに隠れて見えないほど。それに濃厚なストロベリーソースが別添えで付いてくる。あの時もメアリは店にいたのだろうな。


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by nybct | 2005-07-30 01:36 | NY社会事情


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