11月に市長選がある。同時に区長や市会議員の選挙もある。これまでに何度か書いてきたけれど、ニューヨークで選挙があると、それはすなわち人種・エスニック戦となってしまう。
現在、マンハッタン区長はフィールドという女性(民主党・黒人)。彼女は今は市長選に立候補しているけれど、現職のブルームバーグ(共和党・ユダヤ系=白人)、ブロンクスのフェレール(民主党・ラティーノ)が強敵となっていて、勝つのはなかなか難しそう。 ←元ブロンクス区長で今は市長選に立候補中のフェルナンド・フェレール。数年前に起こった、白人警官による無実のアフリカ移民射殺事件を「犯罪ではない」とコメントし、黒人市民から非難ゴーゴーとなるも人気を保っている。 絵はスパニッシュハーレムの壁画アーティスト:デラヴェガ ・・・・・・・・・・・・・・・・ フィールドの後を継ぐマンハッタン区長には10人が立候補している。 民主党9人、共和党1人 白人5人、ラティーノ3人、黒人2人 男性8人、女性2人 ストレート8人、ゲイ2人(ラティーノ女性と白人男性) 今回は人数が多いので複雑だけれど、ふつう、候補者はそれぞれ自分のバックグラウンドの票を、ほぼ自動的に獲得できる。白人は白人候補に、黒人は黒人候補に、そしてマンハッタンには一大ゲイ・コミュニティがあり、ゲイはゲイ擁護を掲げる候補に投票するからだ。だから勝敗は他のグループの票をどれだけ獲れるかにかかってくる。 こんな風に選挙で政策よりも人種・エスニックが先に語られてしまうのは、本来はおかしいこと。けれどここニューヨークでは候補者の人種・エスニックが政策に直結することが多いから仕方ない。黒人やラティーノの政治家なら当然、マイノリティ優遇策を敷くからだ。 ところが今回、2人の黒人候補がいる。どちらもハーレムをベースにしている市会議員と州議員だ。これは戦略的にヤバいのである。黒人票が割れることになるから。もちろん2人ともそれは分かっているから、白人票、ラティーノ票、ゲイ票の獲得に躍起になっているはず。 それにしても、どうしてこんな風に、どちらにとっても不利なことをしちゃったんだろう? 答えは意外と簡単だった。この2人、仲が悪いそうだ。そういえばハーレムのイベントには地元政治家がよく顔を出すけれど、この2人が同席しているのは見た事がない。 選挙って大変だ。 人気blogランキングへ ↑クリックをお願いします。ぺこり。
by nybct
| 2005-07-01 04:01
| NY社会事情
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